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京都家庭裁判所 昭和34年(家)905号 審判 1959年6月15日

申立人 安原ヨシ(仮名)

主文

京都市○京区○○○町四番地筆頭者山辺敏夫の除かれた戸籍中、敏夫につき身分事項欄の安原正道との縁組事項を消除して同人の戸籍を回復することを許可する。

理由

本件戸籍謄本の記載によれば昭和二二年九月一七日届出により安原正道と山辺敏夫間に養子縁組がなされたことが認められるが朝鮮人と日本人間の養子縁組において朝鮮人たる養親については当時の朝鮮民事令第一一条により朝鮮の慣習によるべきところ、当庁調査官の報告書の記載によれば当時朝鮮においては養子は同姓の適格者たるを要したものであるのに拘らず、本件の養子となるべき敏夫は養親となるべき安原正道と同姓でないから、結局この縁組は法の許さない無効のものと認めざるを得ない。よつてこの縁組届を受けつけ除籍した主文掲記の戸籍は訂正すべきものとし、主文のとおり審判する。

(家事審判官 奥田英一)

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